南極料理人を見て
ネタバレ注意
公開 2009年
監督 沖田修一
(感想)
コロナでの自粛生活中に見なければ南極でおじさんたちが(見ている限り)楽しそうに暮らしているなあと心穏やかに見れたかもしれません。南極での生活の方が閉塞感がありそうですが、今の自粛生活はプチ南極といって良いかもしれない。いつか私も夜な夜なバターを食べるようになるのだろうか。
一番みていていたたまれなくなったシーンは、電話越しに彼女から突然「好きな人ができました。」と告げられるシーンです。外とのつながりは電話ぐらいなのに、そこで辛い現実を突きつけられるのはあまりに残酷ですよ。浪人中に大学に受かった恋人が別れを切り出してくるようなものです。そりゃ極寒の中、Tシャツで外に出て泣いてしまいますわ。
でも、そこからの立ち直り方として電話のオペレーターの女性にアプローチを始める展開は予想外でした。でも、南極に住んでいたら接点が持てる女性ってそこしかないですね。
人間、行動が制限されると一度発狂という形でストレスを発散してからその制限された世界の中で楽しみを見出し始めるのかもしれないです。